丹下幸平@窃盗犯108号
 
みなーみBlog
 



丹下幸平 百万円のツボ
~説明~
丹下幸平

32歳 高利貸しを表の稼業にしているが

正体はマヌケでケチな大泥棒

の日常


百万円のツボ 其の6

喫茶店で丹下が握り締めていたのは
島木に内緒で置いておいた、へそくりの黄桜銀行の万札だった。
これが忍者丸が公表した記番号の一枚にバッチリ合致したのである

巨大掲示板には、丹下のヘソクリの記番号がズラズラ並んでいた

忍者丸がこの番号を何故、知っていたかと言うのは謎だ、大問題だが

しかし今、丹下にとって大事な事は、そんな金を使う気になるほど金が無いという事実だった

情けない話だが、由香に電車賃を借りて島木にヘソクリの50万の洗濯を依頼したら
20万しか残らなかった、ネットでの大騒ぎを考えれば、これは、とんでもなく良心的だが・・・・

「お前、どうするんだこれから?俺から借金するか?」

島木が言うと心配してるのか、型に嵌めようとしているのかサッパリ解らない

「例の医者、紹介してくれ」






高田馬場の、薄汚い犬猫病院に丹下と悪徳医者、異常にガタイの良い助手のロペスが
例のボロアパート(其の1参照)の旦那が乗った手術台を囲んでいた

「すぱっとお願いします」

「そうだな、俺も眠くなってきたからさっさとやるか」

「たんげさーーん・・・」

「ダイジョウブヨ、先生メイイヨ」

「本気なんですかぁ・・・」

「本気も本気だ、俺だって背に腹は変えられねー、
第一お前、確かに『俺の腎臓と肝臓を買ってくれ』っていってたじゃねーか、だから買ってやる」

「いーねぇいーねぇバイオレンスだねぇ仁義無き世界だねぇ、まぁ心配すんな
しばらくは相当、不自由な状態だが人間は慣れる!ズバット借金返しちまえ!ロペス全身麻酔!
ェンド、音楽」

「?」

「今日ハ、まだむばたふらいノありあ♪」




ロペスは、鼻歌を歌いながら場違いなオペラのCDを大音量でかけた




「マリアカラスか、さすがロペス、いい選曲だ」

「たんげさーーん・・・」


手術室にマリアカラスなんて最悪だ、
借金野郎は、青い顔をして小便を漏らしていた
ガタガタ震えながら丹下の顔をひきつった笑顔で必死に見ていた


「俺は本気だ悪いな、ロペス、やってくれ」


まだ、涙を流しながら丹下の顔を必死で見ている
こいつまだ、どうにかなると思ってやがる、そんなんだから、こんな借金する
事になるんだ、情けねぇ・・・丹下は思わず目をそらした冷たい汗が背中を、つたう

麻酔装置をロペスが運んできた

「タコベヤイクヨリマシ!、丹下サンイイ人ダヨ」

そうさ、情けないもんさ、人は悪意から借金なんかしない

今日この男を拉致った時、家族は三人で夕食を喰っていた、ノンキにグラム200円の
牛肉でスキヤキなんか喰ってたのが、いけねぇんだ、前と、おんなじように
演技してりゃぁもしかしたら連れてこなかったかもしれねぇってのに・・・

なんで、こんなにコイツら甘いんだ

裏も表もねぇ、演技してる時も本気なら、こっそり借金取りに隠れてスキヤキ喰ってる時も本気なんだ

そうさ、情けないもんさ、人は悪意から借金なんかしない

『話の解る街金』の事、バカにしながら家族団らんしてようが、それは悪意な、わけじゃねぇ

だって旨いに決まってるじゃねーか

なんでこんな奴らばかりなんだろう・・・




「丹下さん!頼むよ!悪かったよ一生懸命返すよ、職も探すだから!だから!」


とうとう泣き出した


少 な く と も 今 は 本 気 だ


だ が 明 日 に ゃ 喉 元 過 ぎ て 甘 え 続 け る ん だ



人 間 な ん て 大 体 そ ん な も ん だ 俺 も 含 め て





「よし、それぐらいでいいだろう・・・止めてくれ」

「エッ丹下サン?」

「いいんだよ、十分だ、音楽も止めてくれ」」

ほっとした手術台の上の借金男は、言葉にならない、うめき声を出して笑い崩れるように泣いていた

医者はニヤニヤしながら丹下を見ている

丹下は借金男の首根っこを掴むと言った

「いいか?1ヶ月以内にバイトでもなんでもいい、働け!それでとにかく金を一銭でも返すんだいいな?」

「ふぁい。。。。」

「約束守らなかったら、次は本当にやるからな・・・今いくら持ってんだ!」

目を、つぶって手を合わせていた借金男は必死に脱いだ服にしがみつき
慌てて財布を、ひっくり返すと小銭がバラバラ床に落ちた

札は一枚も無い

腰が抜けた男は慌てて小銭を拾い集めようとして尻餅をついた

丹下は、その金を拾い集めると、所沢までの330円だけ残して、借金男を犬猫病院から叩きだした





「キャンセル料は、キッチリ貰うからな」

「解ってる、いくら払えばいいんすか?」

「50万、この場でキャッシュしか受付ねぇ」

ぎょっとして、思わず汗をかいた丹下をロペスが、指をボキボキ鳴らしながら睨んだ
丹下の倍ぐらいは、体格がある、こんな狭い所じゃ逃げ切れない
少し考えて手術台に胡坐をかくと、二人を睨んで言い放った

「わかったよう!俺の腎臓もってきやがれ!」





それを見て医者とロペスは顔を見合すと笑い出した

「お前は、本当甘い野郎だ、島木の言ってたとうりだよ」

「なんだって?」

「島木サン、丹下サン、絶対デキナイッテイッテタヨ」

ゲラゲラ笑う二人の前でバツが悪そうに、ふてくされた丹下は頭をボリボリかいた




病院の玄関で靴を履いていると、後ろから医者が丹下にこう言った

「島木もなぁ、時々使う手だ、あいつはどうしようもない奴だったらやるけどなぁ
また用事があったらいつでも来い」

「いや、多分もう二度と、こねぇ」

「まぁそれもいいがな」




高田馬場の駅で財布を広げると15円しか無かった
さっきの犬猫病院にキャンセル料の五万円とありったけを払ったからだ
アパートに帰りゃまだ、銭は無いわけじゃない


ジャケットを脱いで腰に巻き、ネクタイを外すと


丹下は意を決して、所沢に向って走りはじめた。



4月27日(水)09:37 | トラックバック(0) | コメント(0) | 丹下幸平 百万円のツボ | 管理

百万円のツボ 其の5

歌舞伎町に、とある名物親父がいた

毎週火曜の夜に現れてはクラブ「ガンジガラメ」で100万円使って行くのだ

居酒屋なんかで絶対決まったメニューで2980円、毎週土曜キッチリ飲んで行く親父
あの感覚で大金を使うのである

80過ぎのこの爺さまの名前は坪内昭三


「曰く、わしの事を倶楽部ガンジガラメのホステスは百万円のツボと呼んだわけじゃ」

「あら、百万も使える倶楽部の割には安易な、あだ名ね、
それに銀座なら解るけど歌舞伎町ってのは不自然じゃ無い?」

「今回はタイトルの後に内容を追っかけてるから、
どうかこの程度で勘弁してくれと言っておるホッホッホ、小さい奴よのぉ」

「?」


物語の後半で今の予定では、頻繁に登場する事になってるから、納得しろ


「危険じゃなぁ危険じゃなぁ、物語に唐突に新しい人物が登場するのはストーリー迷走のもとじゃよカッカッカ」

「ツボ様、誰と話してるの?」

「内緒じゃホッホ」






警察が「忍者丸」を追いかけている事をマスコミに公表してから
1週間が過ぎた、偽忍者丸は例の巨大掲示板の何処かに五分と開けずに出没
していたが、そんな野次馬の一人が警察の事情聴取を受けると言う事件の後は、それも静まった

どうする事も出来ないと言うわけで九十九里に調査は続行させる
九十九里の月給を例の200万から出すと言う約束で話はつけた

とりあえず静観と決めた丹下だったが、頭を抱えていた

サラリーローンの支払い期日は、そんな間にも迫っているのだ

丹下は当たり前の話だが元から泥棒だった訳ではない

国体出場経験のある体操選手だった丹下はオリンピック出場に挫折した後
ただ何となく20の頃に関西から埼玉にやって来てお決まりの無目的な青年をやっていた
由香はその頃からの知り合いだ

そんな無目的な生活の果てに困って借金し長い間、僻地で働かされる目にあった
このタコ部屋に放り込んだのが実は島木

何とか持ち前の体力でタコ部屋から抜け出して一大決心した丹下は貸す方に回る決心をする

4年間資金を貯めて、無免許で今の表の商売を始めた

ここまで言えば、ちょっとした創業者の武勇伝である、だが回収がうまく行かず
一年後にはショートした資金の補填の為に現在の裏稼業を始める事になってしまった


島木にこそ、借金はしていなかったが、結構ヤバイ状況なのだ


貸してる金は結構ある、それから地道に回収したが、利息の足しになる程度

島木に借りたらまたタコ部屋送りだ、あの男はその辺は抜群にクールな男なのである




「出勤前だし、おごってもらうから、ありがとーコウヘイちゃん」

行き着けの喫茶店で夕暮れを過ごしている丹下の前に由香が座っていつものようにブルーマウンテンを頼むと
いつもと違う丹下がそこにいた



「・・・・おごってくれ、頼む」





「なにそれ!冗談じゃないわよ!」



丹下は一万円札を握り締めてひきつりながらノートパソコンの前で氷っていた


「忍者丸の公開大捜査!とりあえずこの万札の記番号をコピペして欲しいでござる!」






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4月25日(月)22:25 | トラックバック(0) | コメント(0) | 丹下幸平 百万円のツボ | 管理

百万円のツボ 其の4

「黄桜銀行、被害届けの虚偽報告発覚、警視庁、支店長を事情聴取」

先日、広域窃盗犯108号による盗難事件で藪から蛇が出てきた
報告した黄桜銀行新宿支店長、矢鱈 貢(58)の行動に以前から不信を感じていた本社役員が調査した所、同支店長の1000万近い着服、横領行為が発覚した
横領行為自体は、8年に渡って積み重ねられた物であったが、108号の窃盗行為に便乗した
今回の着服が決定的な綻びを生み発覚した

今回の着服金額は、ネット掲示板で以前から「忍者丸」を名乗る個人が囁いた事で
噂には成っていたが公表される以前の話であり108号との何らかの繋がりがある物とみて
警視庁は昨日ネット掲示板管理者に協力を要請、管理者側も情報提供などの協力をする事を快諾した

108号と忍者丸に接点があるかは、まだ断言は出来ないが、この藪からでた蛇はどうやら
黄桜銀行側、108号側、両方に噛み付くことになりそうである


(毎朝新聞) - 4月23日14時25分更新





「いやな、タイの売春宿に良心的な所があってなぁ、俺の仲良しの捜査一課の何某が大のお気に入りなんだよ」

「ふざけやがって、大 体 金 額 が せ こ 過 ぎ る・・・なんてこった」

「5000円で一発やらしてくれるんだけど、まぁこの何某ってのが好きモンでな三年ほど前に遊びに行った時
一週間で53発やりやがったガハハハハハ53発だぞええおい!スゴイだろう、九十九里なぁ!」

「ミラクルっすねーーーーーー53発

「どこが凄いんだよ、年単位でわったらタッタノ125ちょとだ!

「イヤイヤさすがに100は超えねーよでも、53発だぞ、年の数だけやったっつーんだ、おりゃ思わず尊敬したね」

「ここまで、真面目に地道にやってんなら、窃盗事件ぐらいで浮き足だつんじゃねーよ、情けねぇ・・・・」

「そうか?若いもんはヤッパリそういう風に思うもんか?あぁ九十九里?53発

53発・・・いやぁ俺なんかは素直に尊敬しちゃいますねぇ・・・・・すげぇよ53発・・・」

「だろう、まぁコイツは変な奴だからなガハハハ!」

「あんたら、いい加減にしてくれ、53発の話は関係ねーだろ!」

「バカ53発の話は多いに関係あるぞ、今度は56発やらしてやるって、さっき、そいつに約束して来た所だ」






「・・・・・・・それで200万は払えないか」

「察しがいいな、必用経費って奴だ、俺から借金はしたくねーだろ?残った分は払うがモウチョット待て」


「すっスゲー、56発すげーーーーーーーーーーー!56発




島木は声を低くして、捜査一課何某から得た情報を話始めた
テンションが下がらなくなった九十九里の大声がいいカモフラージュになった

今回の横領事件に関しては、警察のカマカケが裏であったらしい
警察の上層部は以前から「忍者丸」の発言を注目していたようだ、
それで裏を取る一環で今回の薮蛇が出たと言う筋書きだ

実は警察でも「忍者丸」を追っていたがIPが特定出来ず、本体に近くなったと思えば
海外プロバイダからの接続で、しかもご丁寧に会社が倒産して記録紛失していると言う


「ちょっと待てよじゃぁ『忍者丸』は少なくとも、ここまで全て計算でやってるっていうのか?」

「今回のが計算どうりかは、わからん、だがただモンじゃねーって事だけは確かだ、頭のいい若いもんに例の掲示板会社も探らせたんだが
どうやら警察に提供してる情報はそれで本当に目イッパイらしい」

「倒産したプロバイダまで、そいつの自作自演なら、こりゃ相手はオタクヒッキーじゃない」

「そういうことだ、蛇なんてもんじゃねぇ龍か虎だよコイツは、
それに今の状況で考えれば少なくともお前の味方じゃないぜ」

「どうでもいいけどさぁ」

「なんだ?」

丹下は九十九里を指差して

「なんで、サッキ言ったみたいな頭のいい奴を回してくんなかったの?」

島木は、いつもの読めない、にやけ顔をするとこう言った

「言い方悪かったな、それ調べたのはコイツだ」

「?」

「まっ人は見かけによらねぇって奴だ、使い方だよ勉強しな」

丹下が訝しげな目で九十九里を観るとコイツは遠い目をして一言つぶやいた





56発すげぇ・・・・・」




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4月24日(日)14:21 | トラックバック(0) | コメント(1) | 丹下幸平 百万円のツボ | 管理

百万円のツボ 其の3

その夜、二階の自室に戻った丹下は例の「忍者丸」を探す事にした

臼井の事件以降ネット上では噂が噂を呼び大騒ぎになっているらしい事は
由香にも聞いて知っていたが気にも留めなかったってのが本音だった

噂ってのは、勝手なもんで思いっきり独り歩きしていた
テロリスト説、お決まりの北朝鮮スパイ説、政界陰謀絡み説と言った所だ革命家説なんて無責任な物もあった

こいつら、108号の正体が赤字経営の街金なんて知ったらどう思うんだろう?

そんな事を考えながら、ほくそえんでいると
島木の言っていた「忍者丸」らしき人間は意外にアッサリ見つかった



問題だった
真実に近い所を知っている臭い



黄桜銀行の件で報道より丹下が手に入れた金額が少ない事はヘタをすれば警察だって
知らない事だが事実に近かった

ネタモトを明かさないのでネットの野次馬達には信用されていないが
もっと問題だったのは丹下の警察を撒いてからの逃走ルートの推理が変に適切なのである

例の隅田川の遠泳に関しても推理があたっている・・・いやこれは推理じゃないのか??ならもっと問題だ

「108号が、風邪を、ひかないか心配でござる」

なんて書き込みまであった
こいつは、意図的だ、ネタモトを暴せば信用もされるだろう、だがしない
案外、語尾に「ござる」をつけるのもカモフラージュかも


丹下が接触しようとするのを待っているのは状況的に明白だった


警察の罠かも知れない、しかし、あいつらこんな回り道するか?


遅くまで考えていたが結論が出ないうちに夜が明けてしまった






次の日の、お昼ごろ頭の悪そうなスカジャンのチンピラが島木の使いでやって来た

「おっご苦労さん、いやぁあんたの兄貴は金払いは、いいんで助かるようん」

「それがぁ、まだ渡せないってっつーことなんすっよ」

「はぁ?」

「よく解んないけどそーらしいっす、で連れて来いって事になってましてハイ」

「はぁ?」

「スグ来てくださいっツー事です」

「はぁぁぁ?あれで?」

アパートの前には、ボロバイクが止まっていた
渋々タンデムシートに座るとイカレタ運転ですっ飛ばすスカジャン

「おおおぉい」

「なんすかぁぁぁっぁぁどけっオバハン死ね!」

「アブねーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」

「俺の運転うまいっしょーーーーーーーー!死ねババア!」

「ひいいいいいいいいぃぃぃぃ!」







命からがら一時間かかって着いたのは歌舞伎町の雑居ビルの3階にあるネット喫茶だった

「おう、なかなかそいつの運転面白かったろう、えーーーっと名前はなんつうだった?」

「九十九里っす」

「あぁそうそう九十九里、元気のいい奴でな、これからコイツお前につけるからよろしくな」

「冗談言わないで下さいよ、それより何スカ?」

「お前、新聞読んでないの?」

「読む前にジェットコースターに乗せられたもんでね」

新聞にはデカデカと一面に、こう書いてあった

「黄桜銀行、被害届けの虚偽報告発覚、警視庁、支店長を事情聴取」







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4月24日(日)01:26 | トラックバック(0) | コメント(0) | 丹下幸平 百万円のツボ | 管理

百万円のツボ 其の2

995 :朝まで名無しさん :2005/04/21(木) 10:28:19 ID:kDESx3XX
ぬるぽ

996 :朝まで名無しさん :2005/04/21(木) 10:57:51 ID:q7P3MYPY
>>992
先日の赤穂の仕事に関しても、笑ったけど何で108号て変に遠慮した金額しか盗まんのだろう
赤穂クラスの宝石店なら、あれだけ時間がありゃ1億ぐらいの盗みは出来たんじゃねーの

997 :朝まで名無しさん:2005/04/21(木) 11:02:11 ID:kDESx3XX
>>995
ガッ

998 :忍者丸:2005/04/21(木) 11:04:20 ID:34reZfzd
>>996
散々既出でござるが今回に関しては108号も本当は大物狙いだったようでござる
詳しくはこれを読むでござる>>136

999 :朝まで名無しさん :2005/04/21(木) 11:07:09 ID:q7P3MYPY
忍者丸キモイ


1000 :朝まで名無しさん :2005/04/21(木) 11:12:01 ID:KmAODigt
108号が1000はいただいた!


1001 :1001:Over 1000 Thread
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。






「200万だ、それ以上は、びた一文、出せん」

40絡みのヤクザは、そう言い切るとニヤリと笑った

「えーそりゃぁないよ、アンダケ危ない橋、渡ったんですよ、もう少し出してくれ、いや下さいよ」

ここは、丹下のアパートだった、独身向けの貧乏ワンルームだが、丹下は一階と二階に別々に部屋を二部屋かりていた
これは一階の自称事務所、パソコン意外は何にも無いが観葉植物と金庫だけは妙に贅沢な物を備えている

「なら他を当たるんだな、大体派手にやりすぎだよ、お前、貴金属はバラバラにして加工しなおすとして、業者にも
それなりの加工賃を支払わなきゃならん。その時点で値は半額だ、なぁ理屈だなぁ解るか?

第一これだけ大騒ぎになったんだそれもホトボリが冷めるにゃ年単位の
時間がかかる。現金だって何で、こんな帯付きの優等生かっぱらって来るんだよ、本当のプロならそんなこたぁしねぇ

まともな商売だって3年手形なんて話はねぇ俺は良心的だと思うけどねぇ、それとも俺から借金するか?」


「冗談言わないで下さい、解りましたよ・・・解りましたよ・・・島木さんにゃかなわねぇ・・・」


この男は島木勉、某全国展開中の暴力組織の自称真面目な中堅ヤクザだ
丹下はこの男を介してヤバイ物を洗濯していた


「だいたいねぇ、本当に名選手ってのはファインプレーは、あんまりしねぇもんだ。大騒ぎになってんのは
お前のプロとしての自覚が足りねぇせいだよ」

「説 教 で す か」

「あー説教さ、大体ねぇ、表の稼業もしっかりしろよ、金貸しが客に舐められたら終いだぞ」

「そんな事、言っても俺一人だし・・・・」

「バカダネェ、創業者ってのは裏も表も変わらずそんなもんだ、鬼になんなきゃな、この前の話でもだな
例えばだ脅そうが賺そうが、腎臓に関しちゃ意地でも一個、肝臓は三分の一までしか
とらねぇって言う見上げた、悪徳医者も知ってる
中にゃ『患者』自身が指名するぐらいのその筋の名医だ何ならマージン取らずに紹介してやってもいいんだぞ」

「言ってる意味が良く解らんです、冗談じゃ無いっすよ」

「お前は、甘いなぁ・・・・
良いか表であろうが裏であろうが、他人に迷惑さえかけなきゃ、極端な話、人殺しだってしてもいいのさ
それが資本主義社会の化粧落としたスッピンの顔さ金は命よりも大事だぞ、何だって売っちまえ
そうすりゃチョッといい生活が出来る、俺たちに出来るのは、せいぜい、そんなもんさ」

「200万で、手をうちますから帰ってくれ」

丹下は不機嫌にそう言った、このヤクザつまらない人間では無いし突き抜けてるが時々嫌な事を
ハッキリ言うのが丹下にはどうにも認めきれない所だった

「そうだな、俺も忙しいからソロソロ行くは、金は後で若いモンに持ってこさせる、あぁそれとな、お前の超え切れない
所は確かに悪い事じゃねー。嫌いじゃないよでもなぁ、そりゃ贅沢ってもんだ」

「あんたの物差しで計んないでくれ!」

「あとなぁ、お前の事探ってる奴がいる、警察意外でな、これも若いモンに言って調べさせてるがまだ検討がつかん」

「あんたと違って人気者だからね俺」

「おい」

島木は突然真顔になって丹下の首根っこを掴んだ

「冗談でも止めときなそういう台詞は、俺たちゃどこまで行っても裏稼業、世間様に失礼だ、のぼせんじゃねーぞ」

「・・・・・」

丹下の脂汗を確認すると、笑顔になった島木は去り際に言った

「忍者丸ってバカな名前のオタクがいる、インターネッツって奴で調べるんだな大アマちゃん」





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4月22日(金)10:55 | トラックバック(0) | コメント(0) | 丹下幸平 百万円のツボ | 管理


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