丹下幸平@窃盗犯108号
 
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百万円のツボ 其の4

「黄桜銀行、被害届けの虚偽報告発覚、警視庁、支店長を事情聴取」

先日、広域窃盗犯108号による盗難事件で藪から蛇が出てきた
報告した黄桜銀行新宿支店長、矢鱈 貢(58)の行動に以前から不信を感じていた本社役員が調査した所、同支店長の1000万近い着服、横領行為が発覚した
横領行為自体は、8年に渡って積み重ねられた物であったが、108号の窃盗行為に便乗した
今回の着服が決定的な綻びを生み発覚した

今回の着服金額は、ネット掲示板で以前から「忍者丸」を名乗る個人が囁いた事で
噂には成っていたが公表される以前の話であり108号との何らかの繋がりがある物とみて
警視庁は昨日ネット掲示板管理者に協力を要請、管理者側も情報提供などの協力をする事を快諾した

108号と忍者丸に接点があるかは、まだ断言は出来ないが、この藪からでた蛇はどうやら
黄桜銀行側、108号側、両方に噛み付くことになりそうである


(毎朝新聞) - 4月23日14時25分更新





「いやな、タイの売春宿に良心的な所があってなぁ、俺の仲良しの捜査一課の何某が大のお気に入りなんだよ」

「ふざけやがって、大 体 金 額 が せ こ 過 ぎ る・・・なんてこった」

「5000円で一発やらしてくれるんだけど、まぁこの何某ってのが好きモンでな三年ほど前に遊びに行った時
一週間で53発やりやがったガハハハハハ53発だぞええおい!スゴイだろう、九十九里なぁ!」

「ミラクルっすねーーーーーー53発

「どこが凄いんだよ、年単位でわったらタッタノ125ちょとだ!

「イヤイヤさすがに100は超えねーよでも、53発だぞ、年の数だけやったっつーんだ、おりゃ思わず尊敬したね」

「ここまで、真面目に地道にやってんなら、窃盗事件ぐらいで浮き足だつんじゃねーよ、情けねぇ・・・・」

「そうか?若いもんはヤッパリそういう風に思うもんか?あぁ九十九里?53発

53発・・・いやぁ俺なんかは素直に尊敬しちゃいますねぇ・・・・・すげぇよ53発・・・」

「だろう、まぁコイツは変な奴だからなガハハハ!」

「あんたら、いい加減にしてくれ、53発の話は関係ねーだろ!」

「バカ53発の話は多いに関係あるぞ、今度は56発やらしてやるって、さっき、そいつに約束して来た所だ」






「・・・・・・・それで200万は払えないか」

「察しがいいな、必用経費って奴だ、俺から借金はしたくねーだろ?残った分は払うがモウチョット待て」


「すっスゲー、56発すげーーーーーーーーーーー!56発




島木は声を低くして、捜査一課何某から得た情報を話始めた
テンションが下がらなくなった九十九里の大声がいいカモフラージュになった

今回の横領事件に関しては、警察のカマカケが裏であったらしい
警察の上層部は以前から「忍者丸」の発言を注目していたようだ、
それで裏を取る一環で今回の薮蛇が出たと言う筋書きだ

実は警察でも「忍者丸」を追っていたがIPが特定出来ず、本体に近くなったと思えば
海外プロバイダからの接続で、しかもご丁寧に会社が倒産して記録紛失していると言う


「ちょっと待てよじゃぁ『忍者丸』は少なくとも、ここまで全て計算でやってるっていうのか?」

「今回のが計算どうりかは、わからん、だがただモンじゃねーって事だけは確かだ、頭のいい若いもんに例の掲示板会社も探らせたんだが
どうやら警察に提供してる情報はそれで本当に目イッパイらしい」

「倒産したプロバイダまで、そいつの自作自演なら、こりゃ相手はオタクヒッキーじゃない」

「そういうことだ、蛇なんてもんじゃねぇ龍か虎だよコイツは、
それに今の状況で考えれば少なくともお前の味方じゃないぜ」

「どうでもいいけどさぁ」

「なんだ?」

丹下は九十九里を指差して

「なんで、サッキ言ったみたいな頭のいい奴を回してくんなかったの?」

島木は、いつもの読めない、にやけ顔をするとこう言った

「言い方悪かったな、それ調べたのはコイツだ」

「?」

「まっ人は見かけによらねぇって奴だ、使い方だよ勉強しな」

丹下が訝しげな目で九十九里を観るとコイツは遠い目をして一言つぶやいた





56発すげぇ・・・・・」




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4月24日(日)14:21 | トラックバック(0) | コメント(1) | 丹下幸平 百万円のツボ | 管理

百万円のツボ 其の3

その夜、二階の自室に戻った丹下は例の「忍者丸」を探す事にした

臼井の事件以降ネット上では噂が噂を呼び大騒ぎになっているらしい事は
由香にも聞いて知っていたが気にも留めなかったってのが本音だった

噂ってのは、勝手なもんで思いっきり独り歩きしていた
テロリスト説、お決まりの北朝鮮スパイ説、政界陰謀絡み説と言った所だ革命家説なんて無責任な物もあった

こいつら、108号の正体が赤字経営の街金なんて知ったらどう思うんだろう?

そんな事を考えながら、ほくそえんでいると
島木の言っていた「忍者丸」らしき人間は意外にアッサリ見つかった



問題だった
真実に近い所を知っている臭い



黄桜銀行の件で報道より丹下が手に入れた金額が少ない事はヘタをすれば警察だって
知らない事だが事実に近かった

ネタモトを明かさないのでネットの野次馬達には信用されていないが
もっと問題だったのは丹下の警察を撒いてからの逃走ルートの推理が変に適切なのである

例の隅田川の遠泳に関しても推理があたっている・・・いやこれは推理じゃないのか??ならもっと問題だ

「108号が、風邪を、ひかないか心配でござる」

なんて書き込みまであった
こいつは、意図的だ、ネタモトを暴せば信用もされるだろう、だがしない
案外、語尾に「ござる」をつけるのもカモフラージュかも


丹下が接触しようとするのを待っているのは状況的に明白だった


警察の罠かも知れない、しかし、あいつらこんな回り道するか?


遅くまで考えていたが結論が出ないうちに夜が明けてしまった






次の日の、お昼ごろ頭の悪そうなスカジャンのチンピラが島木の使いでやって来た

「おっご苦労さん、いやぁあんたの兄貴は金払いは、いいんで助かるようん」

「それがぁ、まだ渡せないってっつーことなんすっよ」

「はぁ?」

「よく解んないけどそーらしいっす、で連れて来いって事になってましてハイ」

「はぁ?」

「スグ来てくださいっツー事です」

「はぁぁぁ?あれで?」

アパートの前には、ボロバイクが止まっていた
渋々タンデムシートに座るとイカレタ運転ですっ飛ばすスカジャン

「おおおぉい」

「なんすかぁぁぁっぁぁどけっオバハン死ね!」

「アブねーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」

「俺の運転うまいっしょーーーーーーーー!死ねババア!」

「ひいいいいいいいいぃぃぃぃ!」







命からがら一時間かかって着いたのは歌舞伎町の雑居ビルの3階にあるネット喫茶だった

「おう、なかなかそいつの運転面白かったろう、えーーーっと名前はなんつうだった?」

「九十九里っす」

「あぁそうそう九十九里、元気のいい奴でな、これからコイツお前につけるからよろしくな」

「冗談言わないで下さいよ、それより何スカ?」

「お前、新聞読んでないの?」

「読む前にジェットコースターに乗せられたもんでね」

新聞にはデカデカと一面に、こう書いてあった

「黄桜銀行、被害届けの虚偽報告発覚、警視庁、支店長を事情聴取」







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4月24日(日)01:26 | トラックバック(0) | コメント(0) | 丹下幸平 百万円のツボ | 管理

百万円のツボ 其の2

995 :朝まで名無しさん :2005/04/21(木) 10:28:19 ID:kDESx3XX
ぬるぽ

996 :朝まで名無しさん :2005/04/21(木) 10:57:51 ID:q7P3MYPY
>>992
先日の赤穂の仕事に関しても、笑ったけど何で108号て変に遠慮した金額しか盗まんのだろう
赤穂クラスの宝石店なら、あれだけ時間がありゃ1億ぐらいの盗みは出来たんじゃねーの

997 :朝まで名無しさん:2005/04/21(木) 11:02:11 ID:kDESx3XX
>>995
ガッ

998 :忍者丸:2005/04/21(木) 11:04:20 ID:34reZfzd
>>996
散々既出でござるが今回に関しては108号も本当は大物狙いだったようでござる
詳しくはこれを読むでござる>>136

999 :朝まで名無しさん :2005/04/21(木) 11:07:09 ID:q7P3MYPY
忍者丸キモイ


1000 :朝まで名無しさん :2005/04/21(木) 11:12:01 ID:KmAODigt
108号が1000はいただいた!


1001 :1001:Over 1000 Thread
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。






「200万だ、それ以上は、びた一文、出せん」

40絡みのヤクザは、そう言い切るとニヤリと笑った

「えーそりゃぁないよ、アンダケ危ない橋、渡ったんですよ、もう少し出してくれ、いや下さいよ」

ここは、丹下のアパートだった、独身向けの貧乏ワンルームだが、丹下は一階と二階に別々に部屋を二部屋かりていた
これは一階の自称事務所、パソコン意外は何にも無いが観葉植物と金庫だけは妙に贅沢な物を備えている

「なら他を当たるんだな、大体派手にやりすぎだよ、お前、貴金属はバラバラにして加工しなおすとして、業者にも
それなりの加工賃を支払わなきゃならん。その時点で値は半額だ、なぁ理屈だなぁ解るか?

第一これだけ大騒ぎになったんだそれもホトボリが冷めるにゃ年単位の
時間がかかる。現金だって何で、こんな帯付きの優等生かっぱらって来るんだよ、本当のプロならそんなこたぁしねぇ

まともな商売だって3年手形なんて話はねぇ俺は良心的だと思うけどねぇ、それとも俺から借金するか?」


「冗談言わないで下さい、解りましたよ・・・解りましたよ・・・島木さんにゃかなわねぇ・・・」


この男は島木勉、某全国展開中の暴力組織の自称真面目な中堅ヤクザだ
丹下はこの男を介してヤバイ物を洗濯していた


「だいたいねぇ、本当に名選手ってのはファインプレーは、あんまりしねぇもんだ。大騒ぎになってんのは
お前のプロとしての自覚が足りねぇせいだよ」

「説 教 で す か」

「あー説教さ、大体ねぇ、表の稼業もしっかりしろよ、金貸しが客に舐められたら終いだぞ」

「そんな事、言っても俺一人だし・・・・」

「バカダネェ、創業者ってのは裏も表も変わらずそんなもんだ、鬼になんなきゃな、この前の話でもだな
例えばだ脅そうが賺そうが、腎臓に関しちゃ意地でも一個、肝臓は三分の一までしか
とらねぇって言う見上げた、悪徳医者も知ってる
中にゃ『患者』自身が指名するぐらいのその筋の名医だ何ならマージン取らずに紹介してやってもいいんだぞ」

「言ってる意味が良く解らんです、冗談じゃ無いっすよ」

「お前は、甘いなぁ・・・・
良いか表であろうが裏であろうが、他人に迷惑さえかけなきゃ、極端な話、人殺しだってしてもいいのさ
それが資本主義社会の化粧落としたスッピンの顔さ金は命よりも大事だぞ、何だって売っちまえ
そうすりゃチョッといい生活が出来る、俺たちに出来るのは、せいぜい、そんなもんさ」

「200万で、手をうちますから帰ってくれ」

丹下は不機嫌にそう言った、このヤクザつまらない人間では無いし突き抜けてるが時々嫌な事を
ハッキリ言うのが丹下にはどうにも認めきれない所だった

「そうだな、俺も忙しいからソロソロ行くは、金は後で若いモンに持ってこさせる、あぁそれとな、お前の超え切れない
所は確かに悪い事じゃねー。嫌いじゃないよでもなぁ、そりゃ贅沢ってもんだ」

「あんたの物差しで計んないでくれ!」

「あとなぁ、お前の事探ってる奴がいる、警察意外でな、これも若いモンに言って調べさせてるがまだ検討がつかん」

「あんたと違って人気者だからね俺」

「おい」

島木は突然真顔になって丹下の首根っこを掴んだ

「冗談でも止めときなそういう台詞は、俺たちゃどこまで行っても裏稼業、世間様に失礼だ、のぼせんじゃねーぞ」

「・・・・・」

丹下の脂汗を確認すると、笑顔になった島木は去り際に言った

「忍者丸ってバカな名前のオタクがいる、インターネッツって奴で調べるんだな大アマちゃん」





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4月22日(金)10:55 | トラックバック(0) | コメント(0) | 丹下幸平 百万円のツボ | 管理

百万円のツボ 其の1

警視庁また大失態、広域窃盗犯108号とり逃がす

昨日12日未明、中央区宝石店「銀座赤穂」の警備会社より侵入者ありとの通報を受け現場に急行した築地署の警官数名は、黒いタイツで身を固めた窃盗犯らしき容疑者を発見、ビル屋上まで追い詰めるに至るが、容疑者はビルから隣のビルへ飛び移る等のアクションスター紛いの行動で逃走、包囲網を突破。入船橋付近で、目撃されたのを最後に姿を消した。被害額は、貴金属を含む現金で総額は1000万円程度とみられる

警察では、この容疑者を、その手口と逃走パターンから窃盗犯108号と見ているが、現場を取り押さえる寸前で、とり逃がしたのは、これで三度目となり、各方面からは、警察の一連の失態に批難の声が出ている。

(共同通信) - 4月13日10時21分更新



所沢のボロアパートの一階のとある部屋の玄関口で男が座り込んでいた

「だからなぁ、もう利息ぐらい払って貰わねぇとコッチが困るんだ、なぁ」

手にしたポケットティッシュで鼻をかむ男、男の言葉を生活に疲れた薄幸そうな女が正座で聞いていた

「夫があんな状態で・・・・」

女が指差した先の部屋の奥には咳き込む旦那らしい男が寝ている、玄関から見えるリビングには電子部品の内職の材料が見えた。

「解ってるよそんな事、でもこっちにゃこっちで都合ってもんがある!
あんたの都合で金貸しが日干しになってちゃ訳がわからん!・・・・・いや本当何とかして下さいよ!」

少し声を荒げてそう言うが鼻水がずるーーっと垂れてきて様にならない

「花粉症ですか?」

「いやチョッと風邪ひいてな・・・・・・・・・・・ゴミ箱ある、あぁゴメン

いや、そんなこたぁどーでもいいんだ!どうすんだ奥さん!利息だけでも払えるのか?オウ!



気を取り直して凄みなおした後、
バツが悪くなり丸めたポケットティッシュを懐に突っ込むと中学生の子供が帰ってきた。

「母さん!」
「一郎!」

男を突き飛ばして、息子を抱きしめ泣き出す母

圧倒されぎょっとする借金取り、間髪いれずに親子が泣き出した

「ごめんね、ごめんね一郎、母さんと父さんが不甲斐ないばっかりに」
「何を言うんだ母さん!母さんに罪なんてあるもんか!」

泣き崩れる二人、近所の人間が顔を出し始めた

「泣き落としかぁ、冗談じゃねーぞ、静かにしやがれ!」

「いいんだよ、母さん、おじさん!僕がタコ部屋でも何でも行くよ!父さん母さんを虐めないで!」

「何いってんだ、話ごまかすんじゃねー!ガキ!」

「ごめんよ、ごめんよ、一郎」

「僻地の工事現場でも、海上土砂採取でもなんでもやるよ!だからオジサン!」

「だからなぁ冗談じゃねーっつてんだ・・・バカ!」

「あぁそんな事を言うなら母さんが、吉原でもどこでも行ってどうにかしてあげる、一郎そんな事言わないでお願い」

「なら、俺が肝臓と腎臓を売ってやる・・・・」

「あなた、何言うの!」

「母さんに違法風俗に行かせるぐらいなら、僕がタコ部屋に行くよう!」

「アッアホかお前ら!」

「本気です!」

鼻をグジュグジュ言わせてちょっと涙ぐんできた、どうやら風邪とは違う理由で泣いているようだ

「僕ね僕ね、お父さんとお母さんさえいてくれれば、それでいいんだよ一生懸命、新聞もくばるよ
そいてねそしてね・・・足りないだろうから僕、海の上の土砂採取場へでもどこへでも行く!」

「わけわかんねぇ!事言ってケムにまくんじゃねぇ!」

「一郎あぁなんていい子なんだろう、かぁさんを許しておくれぇヨヨヨヨ・・・・そんな事をさせるくらいなら私が風俗産業に!」

「何言ってんだ、元々俺が一番悪いんだゲホゲホうぅ・・・俺の内臓を買ってくれ丹下さんゲホゲホ」

「あなた、大声だしちゃ駄目よ!安心して私みたいなのでも需要はあるのよ!」

「俺さえ早くしんでりゃぁくそう・・・・保険にさえ入っていたら・・・・」

「何いってんだい!僕は父さんも母さんも大好きさぁ、うわーーーーーん。
じゃぁ間とって僕がフィリピンに人身売買で売られればいいんだようーーーー!」

大騒ぎになった上周りから、もらい泣きの声がしてきた、っていうか借金取りが鼻水まみれになっていた







しばらくして借金取りは夕暮れ時の喫茶店にいた、くしゃみを、しながら
ノートパソコンの帳簿を見ている、どうにも赤字だ
借金取りの名前は丹下幸平、個人で高利貸しをしている32歳だ

「ちきしょう、なんで俺が金を貸した奴はドイツもコイツも寝たきりになっちまうんだろう・・・」

「そりゃね、あんたが泣き落としに弱いって有名だからよ」

丹下が頭を抱えているところに同い年ぐらいの水商売らしい女が
何食わぬ顔でブルーマウンテンを注文して丹下の前に座った

「出勤前だし、おごってもらうから、ありがとーコウヘイちゃん」

「なんだよ、それ冗談じゃねーぞ!」

「本当よ、あの界隈じゃ有名なんだから”話の解る街金”ってね」

「くそう、これは仕切りなおさねば俺は鬼になってやる・・・くそみてろ・・・あっおごらねーぞ言っとくけど」

「元々向いてないのよ、商売がさぁ、鬼になりきれなるわけないもんコウヘイが・・・嫌いじゃないけどねそういうの」

「由香と違って俺はそんな簡単にアキラメン!継続こそ力なりって奴だ!
大体そういうお前は、その年で、未だノービジョンじゃねーかだから結婚も失敗するんだ!」

鼻水が止まらず、どうにも様にならず、イヤミにならず

「それより、あんた風邪?ばっちいわねぇ、うつさないでよ」

「昨日は色々大変だったもんでな・・・おごらねーぞ言っとくけど」

注文したコーヒーを一口すする女、由香というらしい

「何、隅田川で一晩中、遠泳でもしてた?」

余裕シャクシャクで丹下を面白そうに見ている、しばらくの沈黙の後

「ねぇ本当、街金なんか止めて、ドロボーに専念したら」

「大きな声で言うなバカ!」



4月20日(水)00:02 | トラックバック(0) | コメント(0) | 丹下幸平 百万円のツボ | 管理


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