丹下幸平@窃盗犯108号
 
みなーみBlog
 



百万円のツボ 其の15

丹下は大勢の警官を引き連れて、とあるビル工事現場まで
やって来た、忍者丸の監視はその後も続き、とことん追い詰められていたように見えていたが
ここまでは一応予定どうりだ、とにかく奴を引っ張り出した



素早くビル内の死角に入り込むと九十九里と荒い息で連絡をとった

「どうだ?臭いIPアドレスあったか?」

「ここまでで、8回ブッコ抜きましたけど無いっす、スイマセン」

「まぁしょうがねぇな、ラストチャンスはこれからだ切るぞ」

「あっ待って下さい、島木さんから連絡があったす」

「なんだよ」

「よくわかんねぇんですがカストリって知ってますか?」

「あぁ昔の不味い安酒の事だろそれがどうした?」

「とにかくそれでカマかけろって言ってました!」

「なんだよそれ?」



聞く暇も無く警官の迫る声が聞えて来た
仕込んでおいたウィンチのワイヤーに捕まるとスイッチを入れ一気に工事現場の最上階へ
もの凄い勢いで引っ張り上げられていった



その頃、屋形船の中

「ご老人、本当の事をご存知なんですね」

「さぁねどうかな、この年になると『記憶にございません』って言い訳が嘘に聞えなくなるじゃろう
それに自分でもそこの所の境目が良く解らん事がある」

「なるほど、良く解りました・・・結構です、ではこういうのはどうです」


島木は懐から小さいサイコロを二つ取り出した


「丁半一発勝負です、お好きでしょうこういうの?」

「なるほどのぉ、そう来たか、であんたは何を賭ける?」

「小指一本と、あんたの自由、つまらんもんでしょうが」


島木は真顔で言った
老人は黙って少し驚いた後、ニタリと笑った


「1千万とか言うなら、断わったがね、そりゃぁ面白い乗ろうじゃ無いか」

「ありがてぇ、由香、湯のみ持ってこい」

「そんな、止めときなよ島木さんの柄じゃ無いよ・・・正気じゃ無いって、本当
『基本的に俺は経済ヤクザだ』っていつも言ってるくせにもぉーー・・・」

島木は、当惑する由香を睨むと

「ヤクザの武器って何か知ってるか由香?」

「何言ってんのよ?」

「気が狂ってることさ、トニカク湯のみ持ってきな」



先の工事現場の最上階、仕込んで置いたウィンチのお陰で追手とのアドバンテージが
少しとれた、丹下は何とかネットにコメントを送信しながらクレーンに登り始めた

「自分から袋小路に入ってどうするつもりでござる?」

「泥棒と煙は高いところに昇るって世間じゃ決まってるのさ」

「まさか自殺する気じゃないでござろうなぁ、そりゃツマランでござるよ」

「お前みたいに、生きながら死んでる野朗に言われたか無いね」

「何を言ってるでござる、拙者ちゃんと生きているし、第一オヌシをここまで
追い詰めたでござる(笑」

「うるせぇなぁ、予定の行動だよ、このカストリ野朗、俺が好きにやってる事さ」

丹下は、苦し紛れにそう言ってみたら野次馬が反応した

「かsトリは関係ないdsろibakaじゃねーの」

「その人のいうとうりでござる(笑」

どうも気になる、クレーンの頂上に登り切った丹下は
ヘリコプターのサーチライトを浴びながら続けた、そろそろ足元の現場も騒がしくなってきた
この際できるだけ引き付ける方がこの後、効果的だ焦る必用は無い

「お前みたいな、世間から逃避してる団子虫野朗はな、カストリみてぇな野朗だって言いたいんだよ」

「意味が解らんでござるよ」

「わかんねぇだろうなぁ・・・カストリ、ゴミになる酒かすで造った焼酎
昔懐かしい時代にはイッパイあったそれも忘れられて今じゃ世間に相手にされず珍品扱い

お前みたいなもんだ」

「かsdとりは環b家0内!」

「拙者はそんな物では無いでござるよ、今でもオヌシと同じく人気者でござる(笑」

「人気者ってのは止めときな、ネットストーカーの分際でおこがましいんだよ」

「(笑(笑(笑(笑(笑(笑(笑(笑(笑(笑(笑(笑(笑(笑」

「どうやら、お前は俺とは違う種類の人間らしいな・・・・

でも解ったぞ、お前の正体は、世間から逃げ出して忘れられたカストリ野朗だ
『忍者丸』なんてオカシなラベルを貼り付けて珍品扱いされる、忘れられた人間なんだよ!

し か も 昔 懐 か し い お 前 の 味 は 不 味 い と 来 て る 

お前の正体は、そんな野朗だ!、俺って言う悪党に乗っかって自分の存在を主張したいだけの死人だよ」

「だkk。だsfはkankeinaidarou!!!」

「速いスレッドでござるが、野次馬殿も焦ってはいけないでござるよ(笑」



クレーンの下には警官が山ほど集まってきたそろそろ潮時だ

「九十九里!今のアクセスブッコ抜いとけ!」

携帯電話にそう叫ぶと丹下はリモコンのスイッチを押した

クレーンの油圧シリンダーに仕込まれた爆薬が小爆発をおこしそれで開いた小さな穴からオイルが噴出

大音響と共に隣のビルにゆっくりとクレーンが倒れ込んだ










続く→http://mkbag.btblog.jp/cm/kulSc02qD45466A12/1/



5月12日(木)13:42 | トラックバック(0) | コメント(0) | 丹下幸平 百万円のツボ | 管理

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