丹下幸平@窃盗犯108号
 
みなーみBlog
 


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百万円のツボ 其の14

老人は、お湯割りの中の梅干をハシで突付いていた
ぐっと一口飲むと

「カストリってのは、要は日本酒作った後に出来る酒粕をもっかい蒸留して出来る焼酎だがね
安いがけして旨いわけじゃない、最近じゃエライ高いもんになって売っとる事もあるようじゃが
ワシらが戦後の焼け跡で飲んでたのは、まぁあんな上品なもんじゃぁ無かった」

「まぁ、不味きゃ今の人は買いません」

「で、その男ってのが、中々の男でなぁワシと一緒にガンジガラメみたいな下品な店に
来るだけでもまぁ変な奴だったんじゃが、その時、カストリの話になった」

「飲もうって話になったわけですねで、その男の名前は?」

「さて、それがな・・・思いだせん」

「でも、ツボさま、みたいな人が飲みたいのは中々ないでしょう」

由香が口を挟む

「そうなんじゃよ、ようしっとるなぁお姉さん」

「まぁ年増女のホステスですからね、そんな話になる事もありますもの」

「お店の名刺もらえる?今度おじゃまさせてもらいたいんじゃが♪」

「ハイハイ♪うちにも百万持ってきてね、つぼさまー♪」

「おい、女A、一応、俺達は、この爺さんを、セメント業界の重鎮をだな『拉致』しとるわけだよ
そんな事するんじゃねーよ!」

そう言いつつ、笑いながら島木は止めなかった

「ハァ・・メンドクサイですな、正体を現しますか」

そう言うと島木はヒョットコを脱ぎ焼酎をあおった
坪内老人はそれを見て少し笑った後、続けた

「おねぇさんの言うとうり、買ったもんじゃ雰囲気がな、何と言うか出ないんじゃよ
旨いんじゃもの、ふつーーーに、で、その男、何種類かの銘柄を持ってきた後とうとう本物を持ってきおった」

「へぇ」

「それが、すごいんじゃなこれが、田舎の潰れた酒蔵の設備に二級酒つくっとった爺よんで
頭下げて作らせたらしい、ビンまで当時のもんを探して作ってキオッタ、カッカッカ」

「で、そのカストリは不味かったですかご老人?」

「不味かったなぁ!ホッホッホッ!あのバカ、ワザワザ大金かけて不味い物作ってきおったんじゃ、
こんなやつぁ中々おらんよ!カッカッカッ!」

「で、その男の名前は?」

「さて、それがな・・・思いだせん」

「そんなぁ・・・」

「と言うのもな、そうそう二年前から、業界からも夜の街からもパッタリ姿を消したのさ、商売の世界じゃ
よくあることじゃから、気にも留めんかったが、取締役をやめてから何処に行ったのかサッパリわからん」

「でもそりゃ話題にぐらいなるでしょう?」

「元々経営者というよりは、職人みたいな男であんまり表には出ん奴じゃったからなぁ・・・その会社も
研究者としてのその男がいなくなったからって経営には余り関係無かったようでなキチンと整理した後
辞めていったようじゃから静かなもんじゃった」

「思いっきり黒じゃないですかそれ」

「そうかな、考えてみればイタズラ好きの実に憎めんいい男じゃったのう・・・・
うーむ警察に事情聴取されておった時は酒が出んかったからなぁ、まぁしょうがないカッカッ」

「ご老人、もったいぶらずに、その男の名前を教えていただけませんか」

「さて、それがな・・・思いだせん」







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5月11日(水)13:17 | トラックバック(0) | コメント(0) | 丹下幸平 百万円のツボ | 管理

百万円のツボ 其の13

屋形船の中で、ヒョットコの面をした島木と坪内はノンキにプロレスアナウンサー上がり
の司会者で有名な報道番組を、ねっころがって見ていた



「現場の向坂さん、どうですか状況は」

「現場です、現在、百十三名の警察官が108号を追っていますが未だ捕まっておりません
先ほど108号が捨てた人形・・・あっカメラさんアレアレ!」

「おーっと108号登場いたしましたかぁ!」

「トンでもない神業のような走りで逃げています108号は催涙ガス弾などを携行しており・・・」

「おーーーーーーーっとトンダァ飛びました正に、その姿、八艘とびの義経、いやさ猿のごとし!
108号の逃走劇が新宿の町をそのワンダーランド、まさにハンドレッドエイトワールドへと
引きずり込んでおります!108と言えば除夜の鐘まさに今現在の歌舞伎町は煩悩のハンドレッドエイト」




「ご老人どうです、何か思い出しませんかねぇ」

「正直、ワシも飲んだ相手、全部は覚えとりゃせんよ、しかもIT関係っちゅうのはどうもね」

「余り、お好きで無いようですなぁ」

「あいつら、シナジーがどーの、オンデマンドがどーのとワシのような年寄りに解りやすく
話すのが嫌いなようでなぁ、要は合理化じゃろう、そんなもんはワシらも散々やったよ
合理化って奴の正体はナンボ横文字にした所で”人様を踏み台にする”ちゅうことじゃぁ無いかね」

「おっしゃるとうりです」

「わしゃぁ誰かのようにTシャツを着とるからダメとか言う気は全然ないんじゃが、最近の、あの手合いは
機械相手にしとるせいかその人様の頭を踏んづけるってのを感じとらんような気がするんじゃよ」

「なるほどねぇ」

「いや何、商売人が人様の頭を踏んづけるのは気持ちがいいよ、そう思えなきゃ商売なんぞやっとれん
でもな、自分が踏んづけとるってのを感じないような経営者はナンボ有能でも飲み友達としては記憶に値せんよ」

「私等ヤクザは、そればっかり」

「おっ?ヤクザなのかねヒョットコさん」

「あぁまぁ余計な事を言ったようで忘れて下さい」

「ヤクザは嫌いじゃないよワシは、多分あんたの組織の一番てっぺんに居る奴はワシの友達
内緒じゃけどな、カッカッカッ」

「熱燗出来ましたけどぉ」

「おー、いーねいーね、女A!早速、酌だ酌!」

「女Aってなによ!このくそヒョットコ!」

「あぁーおねぇさん、悪いがわしゃ焼酎のお湯割りで梅干入れてくれんかの」

「ハイハイ」

「庶民的ですなぁご老人」

「大体、ワシも重鎮だぁなんだと言われちゃいるけどね、所詮、焼け跡から這いずりだして散々人の頭
踏んづけて来た成金さぁ、正直言って高い酒よりカストリ、この年になってそう思うようになったわい」

「カストリですか、そいつぁ用意してねぇなぁ・・・」

「カストリか・・・そう言えば面白い奴がいたなぁ・・・」

「語尾にゴザルをつける奴でしたか」

「いや、そんな奴ぁおらんよ・・・確か一年前だったかいや二年前か・・・
珍しくIT長者にしちゃ、冗談の解る奴がいた」

ヒョットコと蝶が目を合わすと老人はポツリポツリと話始めた






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5月10日(火)23:40 | トラックバック(0) | コメント(0) | 丹下幸平 百万円のツボ | 管理

百万円のツボ 其の12

254 名前:忍者丸 ◆HIUMhGV 2005/05/06(金) 21:58:49 ID:gaNbaraneba

おおおおおおおおおおお108号様、降臨でござるか!

拙者も、ナリを潜めて置こうと思っておったのでござるが、これは感動でござる

敬意を表して拙者も降臨!



で、どうして欲しいんでござるか?(笑

255 名前:どうでも名無しさん 2005/05/06(金) 21:59:12 ID:hikjmtty56hj

リ ア ル 忍 者 丸



キタ━━━━(。A。)━(゚∀゚)━(。A。)━(゚∀゚)━(。A。)━━━━!!!!


256 名前:108号NOW ◆JSGFLSFOXQ 2005/05/10(火) 22:00:13 ID:??? ?#

出やがったな忍者野郎!

257 名前:どうでも名無しさん 2005/05/06(金) 21:59:12 ID:hikjmtty56hj

対決対決やっちゃえ忍者丸!!GOGO!

258 名前:どうでも名無しさん 2005/05/06(金) 21:59:12 ID:??? ?#j

うぉー108号何やってんのかサッパリ解らんが俺は、あんたを応援するぞぉい


お知らせ:○チャンネル風の、野次馬のコメントを含めて表記するのは
大変手間が掛かるので、今後「忍者丸」と「108号こと丹下」の会話として
青字で表現しますが、適当に脳内で補完して下さい。して下さいったらー!



「いよいよ出やがった・・・」

忍者丸がネット上にその姿を現したとき
すし詰め状態で林立する細かいビルの一件の上で
丹下は囲まれていた、爺の人形を抱えて解り易い出刃包丁を人形に突きつけている丹下
は1オクターブ高い声で叫んだ

「てめぇら!近寄るんじゃネェ!爺の命がねぇぞバカ野朗!」

「うぬぅ卑怯な!」


ジリジリと迫る包囲網、丹下は抱えた爺の人形の背中を押した

「角田警部、助けてくれぇーー!」

合成の音声と連動して、人形の腕がバタバタ動くアホみたいな仕掛けだが
無意味にヒートアップしたこの現場では十分な効果があった

ひるむ警察官たち
その隙に丹下はコメントを作成、送信した

「出やがったな粘着引きこもりオタク野朗め!お前の正体握ってる爺は俺の背中の上だ!
この後この爺、折檻してお前の正体ばらしてやるからな!見てろ!」

「おおっつとそうなんでござるか?ご老人がオヌシの手の内というのは認めるでござるが
いやぁまずい状態でござるねぇ(笑」

「こんなのぁ屁でもねぇ、こちとらお前みたいに部屋で閉じこもってるデブと違って
運動神経はオリンピック級だバーカ」

「いやいや、拙者が言いたいのは、そういう事では無いでござる・・・・

いやね、さっきこんな画像を入手したんでお知らせしとこうかなぁと(笑」

「何イ?」

http://tekitou.co.jp/upload/upload.cgi?no=12279809

「てめぇどこでこれを・・・!」

「ヒキオタにはヒキオタのやり方があるでござるよ
何処に逃げても拙者付いていくでござるよ108号殿(笑」


現場の警官が無線機の指示を聞いている
マズイ!この手品もここまでだ、迷う必要は無い
丹下は、やおら爺人形をふりかぶるとビルの下に向かって放り投げた


「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!なんと言う事をきさまーーーーーーーーー!」


幸い指示が行き渡る寸前で行動を済ませられたようだ
パニックに落ちる追っ手の隙を突くと隣り合ったビルに飛び移り
コッソリ回りこもうとしていたゴリラみたいな警官に催涙ガスを、食らわせ
ゴリラを踏み台に、もう一件、隣のビルへ!

「お見事でござる!しかし、まだまだオヌシの周りには目があるで御座るよ(笑」

爺人形を捨てて軽くなったとは言うものの、ランドウォリアは、まだ捨てられない
何とか奴に隙を作らせなければ成らない

丹下は闇をひた走った




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5月10日(火)17:05 | トラックバック(0) | コメント(0) | 丹下幸平 百万円のツボ | 管理

百万円のツボ 其の11

108号@【出て来い忍者野郎!誘拐中継だ!この野郎! ¥1】

1 名前:108号NOW ◆JSGFLSFOXQ 2005/05/10(火) 21:27:49 ID:??? ?#

さぁ、クソ掲示板の暇人ドモ!108号こと俺様がお前達が喜ぶ
Bigイベントを用意してやったぞ

今回、俺様が用意したのは、坪内の爺様を誘拐、実況すると言う
ライブ感覚溢れる斬新なITを最大限に活用した素晴らしいイベントだ

ボンクラドモとりあえず以下の画像を、ずずずいっと!みやぁがれ!

http://jijii.com/iikagennnisiro.jpg


2 名前:どうでも名無しさん 2005/05/10(火) 21:28:32 ID:HeNohenomoheGi




リ ア ル 1 0 8 号    キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!





歌舞伎町を舞台に、犯人追跡劇 否 捕り物劇が展開されていた
足で逃げる108号こと丹下を百人以上の制服警官がサスマタを持って追いかけるさま
は正に捕り物と言うのが相応しい

街の裏側の未開発の雑多な通りを駆け抜ける108号
影に隠れてはマメに写真を撮りネットに流すのだからカナリ危険な行為だったが
始めた物は仕方ない、民家の屋根を越え小さなビルから飛び降り走る走る

見物人の中にはお捻りを投げるバカまでいる始末

そんなバカ騒ぎを、よそに、手薄になったガンジガラメのある雑居ビルの非常階段の踊り場に
ヒョットコの面を被った島木と由香がコッソリやって来た
消防法を無視して置かれた野晒しのロッカーを開けると、猿轡を噛まされた
坪内老人が放り込まれている

「むぐっむぐぐぐぎ・・・」

「ご老人、手荒な真似をして申し訳ない、残念ながら貴方のアクションシーンの
出番は、これで御終いです、騒がずにいてくれますか?」

老人はそう言われると、ちょっとがっかりした感じで肩を落とした

「もし騒がずに居てくれるなら、屋形船を用意しております、女も年増ではありますが・・・」

「年増で悪かったわね!」

「まぁちょっと気の強い女ですが乳がデカクテ、酌ぐらいは出来るのを用意しておりますので
ノンビリ若い奴をテレビで見物しませんか・・・どうです?」

老人は、それを聞くと頷いた、縛られた縄を解く島木

「ちょっとちょっとぉ、ここで猿轡、解いちゃっていいの?」

「俺は金持ちと爺さんには、礼を尽くす主義でね、それにこの爺さんにすりゃ
どうでも退屈しのぎが出来りゃいいのさ、ねぇご老人」

縄を解かれた坪内は、ふーっっと溜息をついた

「しかし残念じゃのう、ヒョットコさん、もうちょっと暴れさせて欲しかったんじゃが」

坪内老人は子供のように笑った





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5月7日(土)12:43 | トラックバック(0) | コメント(0) | 丹下幸平 百万円のツボ | 管理

百万円のツボ 其の10

歌舞伎町にオカシな夜が来た

とある雑居ビルを大勢のサスマタを持った警官が囲んでいる
そのビルに向かい「坪内昭三」の看板を掲げたライトバンがやって来た



坪内は20年前、所沢市長選に出馬、ちょっと派手に実弾を使い過ぎて
選挙法違反で、とっ捕まった過去があった



坪内は、車上に角田警部と登ると大勢の野次馬に向かって、上機嫌に演説を打ち始めた

「歌舞伎町の皆様!坪内昭三、本日、
怪盗108号の捕縛に協力するべくやって参りました!」


野次馬達は、口笛やら鳴り物やらで大騒ぎである、これまた満面の笑みで手を振る坪内

「わたくし!齢、82歳の爺ではございますが!
老骨に鞭打ち、必ずや悪漢108号を捕縛いたします!
皆様、応援をよろしくお願いいたします!坪内昭三!本日は命がけでございます!」


鳴り物に混じってジジイコールが始まった、いつも狂った街だが今日は異常だ

角田警部の制止にも関らず、爺が意味無く金をばら撒き出したりする物だから
もうシッチャカメッチャカである

「ジージーイ!ジージイ!」



「なんだか訳わかんなくなってきたっす」

少し離れたビルの屋上から、九十九里が双眼鏡を覗きながら呆れて言った
ランドウォリアを着ながら丹下は、その風景を肉眼で確認した

「実に好都合、大騒ぎに、なりゃぁ成るほどいい」



大騒ぎの中、サスマタを持った警官に道を作らせ野次馬に手を振りながら
坪内は「ガンジガラメ」入っていった

「ツボ様、今日は何だか大変な事になっちゃったわねぇ」

「いやいや!良い余興じゃ、今日は派手に遊ぶぞ!今日のワシは百万円のツボ、改め
1千万のツボじゃぁ!それええええええ!カーッカッカ!」

札びらを惜しげもなくバラマク坪内、隣で角田警部が頭を抱えていた



いかん、どうでもイイがこの爺、暴走し過ぎだ



「うはははははははははははははは!ちーーーーさい!ちいさい!」



貸切状態の天井の低い店内の真ん中に座る坪内

「あぁママ今日は、もうどうでも、いいから高い酒からメニュー全部、
持ってきなさい、なけりゃドンドン買って来なさいカッカッ!」

「警察の方にも?」

「いや、言うまでもありませんが我々は職務中ですから、ウーロン茶で結構です」

「角田くん!まぁフルーツとかはイイだろう!まぁドンドン食べたまえ若いんじゃから!」

「はぁ・・・」

「ハイハイ解りました、また今度、仕事以外の時によろしくお願いしますわね」

「あぁこりゃどうも、申し訳ありません」

歌舞伎町の二流の店で1千万近い万札が飛び交うのも訳が解らんが、そんな店を
制服警官が陣取っている中、交わされる日本的名詞交換と言うのは実にシュールな光景だった


そんなバカな宴が2時間も続いた、しかし何も変化は無かった

坪内もサスがに飽きて欠伸をし始める、警官達も本格的にバカバカしくなってきた


俺 達 は 、 い っ た い 何 を や っ て い る の だ ? ? ?


そんな今更の疑問がリフレインしはじめた頃、坪内が立ち上がった



「便所行ってくる」

「あぁ私も行きます」

角田も立ち上がった

トイレから二人が出てくると目隠しとの境の少し死角になった所に

紫の蝶の仮面をしたホステスが立っている

ホステスは老人に、ニコヤカに手を振ると

「ツボチャマ会いたかったわー」

「おーそうかねそうかね!誰か知らんが乳がデカイネェチャンは大好きじゃ来なさい来なさい!」

酔った爺様は、何の警戒も無く、そんなアカラサマに怪しい女に抱きついた


「君!顔を見せたまえ!名はなんと言う!」

「オネェちゃんなんかモップくさいんじゃが?」


「そりゃそうよ!ついさっきまで、掃除用具入れに隠れてたんだもの!ホ-ホッホ!」


「なに!オヌシ、曲者か!」


「曲者だぁ!出会え出会え!」



角田警部も、ちょっと飲んでるようだ


ボン!と言う破裂音と共に、煙が充満した!

「角田くん!うひゃぁーーー!」

「ご隠居ぉぉぉぉぉ!」

慌てる警官達、だが、ガンジガラメの店内は狭かった!将棋倒しになって
身動きが取れない、どうも飲んでる奴が何人かいるようだ!



ドンと言う二回目の破裂音と共に、一気に煙が引き、見えた光景に、角田は唖然とした

雑居ビルの薄い壁面に大穴が開いていた

老人も女もいない!



その頃、ガンジガラメの外ではテレビ局の取材班が待機していた、変化がないので
どいつもコイツも欠伸をしていた所で聞えた、その破裂音に
一斉に目を向けると目の前の雑居ビルに穴が開き煙が上がっている

慌てて各社一斉にカメラを回し始めた



「ご隠居ぉぉぉぉぉ!」

開いた穴から、大声を出す角田が、全国のお茶の間に!


「角さぁああああああん!」

老人の叫び声が帰って来た、その方向を見ると黒装束の男が野次馬の向こうで老人を背負っている


「ひゃひゃ108号だ!追え何としても捕まえりょ!」


やはり、ちょっと飲んでいるようだ





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5月2日(月)00:31 | トラックバック(0) | コメント(0) | 丹下幸平 百万円のツボ | 管理


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